GenesisPlanA’s diary(ジェネシスプランA・ダイアリー

主にシミュレーター関連に携わっています。世界的な範囲で扱った実績は多く、現在も複数台所有しています。日々の問い合わせが多く一問一答する側ら、掲載内容は検証・リサーチしたモノを含めて得られた情報など知的財産をオープンにしてます。レビュー等をTwitterやYouTubeなどの動画でも発信しています。現在は海外ブランド数社と友好関係にあり、技術的な面と、マニュアルの和訳にも携わってたりします。また、国内でも技術支援しています。此方の掲載内容は有効な情報を得たいと考える愛読者様への無償奉仕です。

FANATEC /ちょっと古いCSL eliteの修理メンテナンス記録簿

(○・∀・)ノ マイド!!

ジェネです。

 

ここのところ体調が悪くて放送なども滞ってたりしますが、新品や修理依頼品のメンテナンスもそこそこあったりと、あまりゆとりの無い生活が続いております。

 

そんな中、ちょっと古い個体のCSL eliteの修理依頼の中で、重篤な度合いが高いモノがありましたので記録として残す事とします。

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誰しもがSIM機材を贅沢に買えるものでは御座いません。頑張って手に入れたSIM機材は持ち主にとっては宝物です。値段や価値観に上下はありません。

折角手にしたからには愛着がある訳で、何とかしてあげたいと思いました。

 

古い個体であろうと相談は来るわけで、依頼主との情報を聴取するべく、原因となる部分を特定していくのです。

今回は仲良くして頂いている方から御相談がありまして、友人がお困りだという事で先ずは相談を承りました。

その聴取のやり取りの中で、壊れる前の予兆や症状といった内容を聞く訳ですが、実際に見て見ないと分からない部分も多かったりします。

それは自己主張される部分や、当人の見え方や捉え方にも差があるわけで、正確な情報を読み取る事が出来ない部分もあります。

実際に状態をディスカッションしていて「直せる可能性がある」とその時点で判断出来た場合は、現品を送って貰うという事になったりします。

 

百聞は一見にしかず!

 

でも、大体この時点で答えは半分見えています。

 

◻️現品到着~状態確認

現品が到着したらパバッと外観のチェックをします。修理箇所のみならず、他の部分も解体しながらチェックしていきます。

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ベルトの粉ふきやテンショナーの蓄積汚れ、グリスの硬化したモノも全てバラバラにしてクリーニングしつつ拭き取りながら磨耗度合いも調べます。

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ボスを回した感じで抵抗感や僅かにコツコツとした感触がある場合でも、将来的な不安要素を少なくする為にも面倒がらずにバラして洗浄しつつ、再び組み直していきます。

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クイックリリースボス部分にパーツクリーナーを吹き掛けると、何だか滲み出てくるモノが。接点復活剤ですね。

実はステアリングも幾つかのボタン類が反応せずに死んでいる状態だと、聴取の際に聞いておりましたので、先ずは接点部分も重点的にチェックする訳ですが、パーツクリーナーで汚れを取り切れない場合は、この端子部分も解体して洗浄する事もあったりします。

 

「接点復活剤は諸刃の剣」

 

一時的に良くなっても、そう遠くない未来に余計に悪化させる要素もあるのです。使う箇所を間違えるとトドメをさすことも……

…( ˙ㅂ˙ )…

 

端子穴に爪楊枝でそっと挿してみて、軽くクルクルすると煤(すす)の様な黒ずんだ汚れが結構ありました。恐らく微弱なスパークが起きていたものと推測されます。

パーツクリーナーをシューシュー掛けながら念入りにクリーニングしていきます。

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今回同伴されていたP1ステアリングはラバー製のものですが、経年劣化による可塑剤の滲みだしや、コレに絡む皮脂汚れが蓄積していたので、ちょっと強めの溶剤を使って可塑剤を含めて少し溶かしつつクリーニングしていきます。溶かすと言っても可塑剤を含めた汚れを溶かしてるだけですので、ラバー表面は溶けていません(笑)

使う溶剤は、その物質を犯さない程度に適したものを使うのがセオリーです。

仕上げはゴムに適したワックスを使って仕上げていきます。滑るワックスではなく艶を自然に際立たせる程度のモノですがご覧の様にピカピカです💡

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P1ステアリングも勿論、全解体します。基板に薄ら載った汚れもクリーナーと綿棒でシコシコと磨いて綺麗にしていきます。

シリコンラバーのカバーも外して、同じくシコシコと拭いていくのですが、導電材の接点部分は表面ノ汚れを落とす程度にチョンチョンと優しく拭きます。ここも擦れや塵などの汚れが溜まる時もありますので軽視できません。

クリーナーを染み込ませた綿棒には結構な汚れが着くことがありますゾ!

これも接触不良を引き起こす原因となるのです。

 

※ここで豆知識!導電材(黒いゴム部分)をクリーニングしても認識してくれない重篤な症状がある場合は、ゴムのサイズが少し小さいくらいにカットしたアルミホイルを仕込むと認識する事があります。

ご家庭で使われるリモコン類もコレと同じ構造なので試して頂ければと思います。長く使ってると導電材の部分が磨耗で性能低下してしまいますので、意外とこの対策でボタン認識はしてくれます。

あくまでも自己責任でお願いします(o_ _)o

 

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全て組み上げたら実際に電源を入れる訳ですが、しっかりと時間をとってクリーナーなどの乾燥が十分に終わってから通電します。揮発性の高いクリーナーでも隙間に入ったモノは空気との接触が少ないので、なかなか揮発しない事があるのです。

焦らずジックリとね!

\_(・ω・`)ココ大事

 

プロパティを立ち上げて、各ボタン類の認識の有無を確認します。全てのボタンが完全に認識している様です🎵

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もののついでにといっては何ですが、一応サービスでファームウェアのアップデートもしておきました。既存で新しくリリースされたWRCやユニバーサルHUBなどもコレで認識してくれるので、問題なくスムーズに使えますよね🎵

 

全ての作動確認が済んでから、軽く耐久テストをします💡

 

解体、洗浄、組み付け(最適化)

知識とノウハウがあればこれだけの作業でかなり延命します。

 

問題なく全てがスムーズに作動しているのを確認しましたので、こちらのCSL eliteは持ち主の元に返すと致します。

( *˙ω˙*)و グッ!

 

修理は大っぴらに承ることはありません。商売としてやっておりませんし、第一儲からないです(笑)

 

故障に関する相談事は少なくありません。致命的な故障に関してはメーカー修理を促してたりします。

手持ちの捕手部品で直せるものなら承る事はありますが、自分の時間を犠牲にしてまでメンテナンスしているのは、儲けるためではなく奉仕活動でありますので、通常は遠慮して頂いてます。

 

どの様に対処すべきかを判断する材料として相談されるのは構いません。

 

その辺はご了承下さいm(_ _)m

 

今回はこの辺で!

アディオス!!( -`ω-)b💕