GenesisPlanA’s diary(ジェネシスプランA・ダイアリー

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断片的な情報により憶測な情報も交えて飛び交うが・・・FANATECの現在(2024年8月最新情報)

マイド!

 

FANATEC倒産という報道が流れて、現在に至るまで、様々な憶測やある部分では思惑があったりしましたが、公式からの正式な最終情報が報じられるまではこの記事を書くまいと思っていました。

私個人としてもFANATECというブランドとの付き合いが長いので、ある種の想い入れもありますが、あの手この手で追力し、FANATECというブランドの製品と過ごした時間も長いので、ここは私の方でも情報を慎重にリサーチしつつ、少し落ち着いた頃にでもブログ記事にしようと考えておりました。


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先ず、Endorという存在ですが、創始者であるトーマス・ジャッカーマイヤー氏がFANATECブランドの販売商社的な窓口として設立されました。

FANATECはひとつのブランドであり、Endorというのは母体である。

 

さて、7月末に公式から正式な公開文書として開示された内容を和訳を交えてまとめていきたいと思います。

 

エンドアAGが破産申請
・StaRUGに従った組織再編は失敗。
・事業活動は制限なく継続。
・会社買収のためのオープンエンドプロセス開始。
・外国企業は破産の影響を受けない。

 

ランツフート(※ドイツの都市です)にて、2024年7月30日 にEndor AG(エンドア・エージー)は、ランツフート地方裁判所債務超過および支払不能による破産手続きの開始を申請した。Endor AGの外国法人はこの申請による影響を受けない。

 

ドイツ連邦共和国バイエルン州の都市。ニーダーバイエルン行政管区の区都。2004年に創立800周年を迎えた。市内をイーザル川が流れる。


ドイツ企業安定化再建法(※StaRUG)に基づくEndor AGの再建の試みは失敗に終わった。その理由は、前CEO(※)および大株主が、実行可能な代替シナリオを提示することなく、StaRUGに基づく再建を阻止するために臨時株主総会の招集を要請したためである。

※前CEOとはトーマスの事かな

※StaRUGとは、ドイツの倒産法に基づく伝統的な法的整理を補完するものであり、私的整理の枠組みの中で計画により権利変更を受ける債権者・株主の法廷多数決の賛成により、多数の反対当事者も拘束させることが可能となった。

参考リンク

www2.deloitte.com

 

同時に、ここ数週間に大株主との間で、全株主を巻き込んだ財務再編に関する交渉が行われていた。しかし、非現実的な要求のために交渉は決裂せざるを得なかった。
戦略的投資家であるCORSAIR(コルセア)は、混乱が続いていることからStaRUGに基づく再編成が不可能であるとして、ブリッジ・ファイナンスからのさらなる支払いを行わないことを決定した。融資銀行も債務超過のため、さらなる融資を拒否した。

 

経営委員会は、戦略的投資家であるCORSAIR社との交渉がすでに進展していたにもかかわらず、最終合意に至らなかったことを遺憾に思う。現在、会社を再建し、ランツフートの土地と雇用を確保することを目的として、破産手続きの一環として、会社を救済するためのさらなるオープンエンドのプロセスが開始されている。

 

同時に、経営委員会は、CORSAIRがEndor AGの買収に依然として関心を持っていると想定している。

 

Endor AGは、破産手続き中も事業を継続する:

販売、保証および修理サービスは制限なく継続され、顧客はドライバーとソフトウェアのアップデートを受け続ける。

Endorのアンドレス・ラフ最高経営責任者(現CEO)は、「この数ヶ月間の顧客、従業員、ビジネスパートナーの信頼と支援に感謝したい。破産手続きの一環として我々はリストラを継続し、会社の再建に全速力で取り組んでいく。私たちは、この状況からより強く立ち直り、持続可能で収益性の高い成長軌道に戻れると確信しています。
経営委員会は、大規模な企業危機の原因を近年における数々の誤った経営判断にあると見ている。例えば、新本社の過大な建設、高額の大損害につながったチップや商品の誤発注、数百万ドル相当のプロセスやシステムの導入の失敗などである。

 

Endor AGの銀行債務は、特に2020年以降の成長フェーズにおいて7,000万ユーロに増加した。加えて、サプライヤーやその他のビジネスパートナーに対する高額の累積債務、およびCORSAIRからの必要なつなぎ融資がある。その結果、グループの負債は9500万ユーロ以上に膨らんだ。年間売上高が約1億ユーロであることから、債務超過債務超過に陥った。

 

ここまでがEndorの最新の公式発表文章を解釈し和訳したものです。

 

FANATEC=Endorだが、先にも少し触れた「破産手続きの間は販売、保証および修理サービスは制限なく継続され、顧客はドライバーとソフトウェアのアップデートを受け続ける」とあるので、その間はFANATECブランドとしての活動が続くようだ。

 

 

一方、CORSAIRの2024年5月9日の公式発表文によると

カリフォルニア州ミルピタス(※ミルピタスはカリフォルニア州にある都市)

 CORSAIR (Nasdaq: CRSR)は2024年5月9日 、世界的に有名なFanatecブランドを所有するシムレーシングのスペシャリストであるEndor AGを買収するための独占交渉に入ったことを発表しました。CORSAIRは、Endor社が抱える約7,000万ユーロの債務再編について両社で交渉する間、短期的な資金需要を賄うことでEndor社と合意に達し、ドイツ法に準拠した破産手続きの下で取引が承認されれば、最終的にCORSAIRがEndor社を買収することになります。

Fanatecは強力なコミュニティを持つ素晴らしいブランドであり、CORSAIRはFanatecの忠実な顧客、従業員、ビジネスパートナーにとって理想的な家であると確信しています。CORSAIRは、Fanatecの忠実な顧客、従業員、ビジネスパートナーにとって理想的な企業であると確信しています。

この思いはEndorも同じだ。「我々の市場を熟知し、長期的な投資を望んでいる戦略的投資家をコルセアで見つけることができ、非常に嬉しく思っています」と、エンドールのCEO兼チーフ・リストラクチャリング・オフィサーのアンドレス・ラフは語った。

Endor社は、PlayStationXbox、PCベースのレーシングシミュレータ用のフォースフィードバックステアリングホイール、ペダル、コックピットなど、シムレーシング専用ハードウェアの主要メーカーです。

今回の買収は、CORSAIRがシミュレーション分野で行ってきた投資を強化するものであり、シムレーシングのリーディングソリューションを提供する上で、今後独自の地位を確立することを意味します。

 

CORSAIRからの将来の見通しに関する記述

このプレスリリースに記載されている事項は、1995年私募証券訴訟改革法の「セーフハーバー」条項の意味における将来の見通しに関する記述であり、買収が完了するかどうか、CorsairによるEndor AGの資金調達が債務負担を解決し、会社の成長と継続的な製品ポートフォリオの拡大に向けた位置づけを含むが、これに限定されるものではない。

将来の見通しに関する記述は、経営陣の信念、経営陣による仮定、および現在入手可能な情報に基づいています。このような記述は将来の財務および経営結果に関する予想に基づくものであり、事実に関する記述ではないため、実際の結果は予想と大きく異なる可能性があります。

実際の結果が現在の予想と大きく異なる可能性のある要因は、米国証券取引委員会(以下「SEC」)に提出した2023年12月31日終了年度の年次報告書およびSECへのその後の提出書類の「リスク要因」の見出しの下に記載されています。すべての将来見通しに関する記述は、本プレスリリースの日付時点における当社の見解および仮定を反映したものです。当社は、将来の出来事や状況を反映させるために、将来の見通しに関する記述を更新する義務を負いません。

 

ここまでがCORSAIR側が2024年5月にEndor買収の意向を公にした公開文書の内容になります。これはCORSAIRが望んでいる事であり、Endorの破産手続きが完了するまでの間に、今後のFANATECブランドの扱いをどうしていくのかの方向性を吟味していくものと考えていたが、2024年5月時点でのCORSAIR側の意向と、どうやら2024年7月30日の公開文書では”CORSAIR社との交渉がすでに進展していたにもかかわらず、最終合意に至らなかったことを遺憾に思う”という事から、どうやらまだ先が見えていない・確実なモノになっていない事を意味する。

 

なんという事でしょう・・・。

 

私の記憶としてFANATECの傾向に怪しい影が出始めた頃は……2021年頃かなと。

その年のブラックフライデーくらいから「ん?」とは思っていました。

 

 

ここから先は最終的なモノが決まるまでは軽率な事は書けないので、この先、何かしら確約な情報が得られればブログ記事として書くかも知れません。

 

またね!