(○・∀・)ノ マイド!!ジェネシスです。
オーダー受けてから、又は受ける前の少量在庫ストックとして海外など(殆ど海外からです)を含め、ハンコン本体や周辺機器くらいは少なからず卸していたりします。しかし、美品中古と言えど時間が経っている訳で、それは生産されてからも「経過」は経っています。各部のグリスですらも酸化して固くなってたりする事もあります。
勿論、中古なら隙間やらで塵や微細なゴミもケース内に侵入している事もあったりしますから、私としては実際に使用感で判断する訳ではなく、卸した後に入荷した際には必ず解体メンテして状態チェックも兼ねて提供する様に様にしています。
それはシフターに限った事ではありませんが、今回はシフター編と題しまして、その模様を開示していこうと思います。
写真のシフター。ほらピカピカでしょ-( ̄ε ̄✨✨
実は持ち主が2年も使っていたモノをメンテナンス承ったFANATECシフターです(笑)
◻️シフター解体メンテ
シフターのケーストップは4つのネジでとまっています。先ずはこれを外していきます。
ケースを開けると赤黒の配線が見えますが、引っ張らずに優しくコネクターをラジペンなどで抜きます。抜け防止にグルーガンで固定してあるだけなので容易に抜けます。
無事にコネクターを外せたらケース本体とトップ部分が切り離せます。トップ部分にシフターのユニットがくっついてます。
ケース内は7速ゲートとシーケンシャルシフターを切り替えるスライド台座が固定されています。この部分はシフターのシャフトがガチャガチャと動き回る部分なので、メーカー純正の状態のままで使ってると微細な摩耗によるグリス汚れが蓄積してたりします。
因みにシフターエンド部はテフロン被覆が付いているのですが、何故か汚れるのは何処かが微かに擦れているのでしょうね。恐らくシーケンシャルシフトを使っている時にだと思いますが。
トップ部分はシフターの要である主要部品が組み合わされて出来ております。先ずはこれを解体していきます。
[ちょっとメモ✍]
ボルトを緩める際に固い時は、ドライヤーなどで少し温めて下さい。最近のロットのシフターだとネジロック剤が塗られている事が殆どで、塗られてる量もマチマチなので多いと固くて緩みません。
\_(・ω・`)ココ大事
メインフレームを固定しているネジは相当に固いのでグッと力を掛けてネジ舐めしないように丁寧に外していきます。ホームセンターとかで安く売ってる工具だと柔らかいしネジ舐めし易いです。こういった主要部品の解体は精度のある、なるべく高めの工具をオススメします。
この部分には基板が2つあります。ひとつはシフト操作の信号を処理する基板、もうひとつはシフトした時の〇速というポジションを検出している基板です。
実はFANATECのシフターはスイッチで検出しているタイプではなく、基板の裏側からタッチしている棒ベアリング(実は磁石です)の角度で間接的に読み取るセンサーなのです。
[ちょっとメモ✍]
FANATECシフターは磁気センサーを採用しています。丸で囲んだ部分が磁石なのですが、このタイプの磁石は先端部分に集中して磁力を発しています。
(上)がHパターン時の磁石で、(下)がシーケンシャル使用時の磁石です。
この磁石が動いた際に、基板の裏側から、或いはシーケンシャルの時には定位置から動いた際に磁気センサーが検出する仕組みなのです。
前のユーザーさんがどのような扱い方をしていたのか、この部分を見ると汚れが蓄積しているので大体分かってしまいます(笑)
私の場合はコチラも全てバラして解体洗浄しながら組み上げていきます。接触する基板の裏側にもちょっとしたコーティングをしますがそこはナイショです。こういう丁寧なメンテが、後に長く使っていく上で差が出てきます。いつまでもトラブルフリーで安定したシフトが出来るという点は重要だと考えてます。
ここで!
【追記】
私のテクニックをみなさんの為に公開します!
実はコレをするだけでもかなり誤動作に対する耐性が変わります。
①この基板の裏側を固く搾ったウェットティッシュで汚れと共に余計な付着要素を拭き取ります。
②成分がリチウム・グリースで出来れば中粘度(指で摘むと少し抵抗感のある)のモノをティッシュに軽く着け、うっすーーく触る程度に塗ります。
黒い基板にリチウムグリースを塗った写真がコレです。少しギラつく位が目安で丁度良い。薄すぎてもダメ、多過ぎてもダメです。
これは過去から現在に至るまで数十台のシフターの修理依頼を承って、メンテしたモノを提供してますが不具合の報告は1件もありません。
永くメンテしてて、この方法か安定間をもたらすひとつの方法です。
③乾いたティッシュで軽く拭き上げます。
④軸部にも軽くリチウム・グリースを塗布して、乾いたティッシュで軽く拭き取ります。
これで、ここの工程は完成!
\_(・ω・`)ココ大事
シフターを雑な操作でガッシャンガッシャンやってると、それは実車じゃ無いのでパーツの磨耗を誘発するばかりか、振動を含めた耐久面がリアルとは違うのです。
それはLogicoolやスラストマスターのシフターでも感覚は一緒。力任せに操作するとそりゃー壊れます(笑)
あと、全て組み上がった時に、シフターの固さを標準より柔らかめにしてみて下さい。保ちが全然違います。
私は購入して3年近いです。初動段階でこの処理してますが現在に至るまで誤動作は起きてません。
いろいろ検証した事を含めて、対策はここしか無いと思ってます。
\_(・ω・`)ココ重要!
安価な価格帯でリリースされてるシフターにリアルな感覚で耐久面を含めて照らし合わせて、同じ感覚で使えばそりゃー壊れます。SIM機材ですから。
高額なシフター(ProSimなど)を使われる方がリアルな構造を模造したシフターなので、上を求めるなら理想に近くはなると思います。
しかし、FANATECのシフターはこの価格帯でこの性能は立派だと思いますね。
引き続きブログ記事をどうぞ🙇♂️
ベアリングや金属製の支持部の擦れや、回転する部分も丁寧に注油しつつ、しっかりと組み上げていきます。金属製の支持部は可能であればモリブデン系のグリスが望ましいですね。摺動性がグンと向上するばかりか滑らかなシフト感覚が得られます。金属磨耗もしなくなるので長期的に見てこの辺のガタツキ感も無いと思います。
解体した時と逆の手順で作業を進めていきます。
FANATECシフターで最も多い初期不良がこのシーケンシャルシフターON/OFFのキルスイッチ。コチラもちゃんと認識してるのかチェックします。動かない時は私の方でこのパーツを取り替えてしまったり、ハンダ付けするだけで直ったりしますので、この辺も抜かりなくチェックします。
ケースの下部に4つのネジがありますが、ケース本体と底の部分を分解して切り離して、各々を洗浄しながら作業を進めます。
各部を確認しつつ組み上げていきます。
写真に見えるグレーのグリスはモリブデングリスを丁寧に塗布する事で磨耗を防いでます。
最後にシーケンシャルシフターON/OFFスイッチ(キルスイッチ)の形をチェックします。
生産工程で稀に曲がってたりする事があります。
先端の細いラジオペンチでフラットにするか、曲がってなければ、このスイッチを手で押してキチンとカチカチとノッチ音がするのか確認して下さい。
シフター本体の下部にある、シーケンシャル切り替えのスライドガイドを移動させ、キルスイッチが押されて正常にON/OFFするのか目視で確認します。
また、このキルスイッチ部分にグリースが掛かってい時があるので、綿棒などで擦り取って下さい。
先程メンテしたシフターカバーを被せて、基板にコネクターを付ければ作業は完了です。
はい!これで全ての洗浄メンテは完了です。
私の場合は解体して組み上げだけではなく、一度組んだものを実装してテストランを何回か繰り返します。
フィーリング的に「丁度いい」ポイントって感じで自分で決めてまして、実在に素早くシフトしたり、ゆっくりシフトしたり、ちょっと力を入れてシフトしたり、パターンを幾つか変えてみて、誤作動の有無やシフトした時の「固さ」や「しなやか」なタッチ感を確認するんです🎵
操作した時に気に入らなければ、再度バラしますし、上手く組み上がればロングライフでメンテナンスフリーなシフターを目指すつもりで、いつも組んでます(笑)
[ちょっとメモ✍]
シフター左上辺りに穴が開いてますが、よく見るとイモネジが入ってます。このイモネジは先に解体した時にベース部分に備わっていたモノで、これはシフターの固さを変化させる機構です。
個人的な意見から言わせて貰うと、標準(購入時)では固すぎ、締め過ぎで、これも故障を誘発している原因のひとつです。
反時計回りに90°程度戻した位置に緩めるだけでもかなり違いますよ🍀*゜
2021年7月にノウハウ部分を追記してますが、これは私が永きに渡りメンテナンスした中で序盤で行き着いた答えです。ノウハウです!
御自身で使われているシフターが調子悪いな·····と思われるなら解体洗浄メンテナンスで直る可能性はあります。FANATECシフターは非常に丈夫に出来ているのですが、外観の容姿とは裏腹に内部は意外とデリケートに出来てるんです。
スラストマスターや他のブランド製のものと比較すると、この様に解体メンテしてあげると長期的にこの先グーーンと長く使えるので買い換えるというタイミングが無いとも言えます。
[ちょっとメモ✍]
シフターのシャフトが緩む事が稀にあります。これが原因でシフトノブが折れる……なんて稀な故障があるそうです。
写真は借用したモノ(私が提供したものでは出ていない)ですが、シフターの根本とシャフトが緩んで来た際に、常に強くシフトしていると、ガタツキで局所的なインパクトが働き、ストレスがピークに達した時には折れるという症状です。
緩んで折れる……そんな事は稀なんでしょうけど、これほど丈夫なFANATECシフターでも根元から折ってしまうんでしょうから、相当強くガチャガチャとシフト操作してるんだと想像出来ます。
スラストマスターやLogicoolシフターを含めてその使用感ではライフは幾らも保たないと思います。先ず幾らも使わないうちに折れますし壊れます!
私の場合はメンテナンスの際に全ての締め付け具合いやガタツキの有無を調べて組み上げてますので、予め「ロックタイト」というネジロック剤を各部に少量塗って緩み防止をしていますから、先ず緩むことはありません。
仮に素早くシフトしたとしても、そう簡単に緩むことは無いとは思います💡
もう何台メンテナンスしたか分からないですけれど、軽く2桁は超えてますが、一度も故障したという報告は受けておりません。
なお、メンテナンスに関しては現在、紹介でのみ承っておりますのでご了承ください。
メンテナンス編はこんな感じです。
締め付け具合い以外は全てノウハウを晒してますので、何かのお役にたてればと思っております。
ドゾー( 。・∀・。)っ
(○・ω・)ノ----end-----
◻️新品・美品中古の輸入販売代理という業
私はモーションシュミレーター関連以外の部分に関しては、個人的に輸入販売代理をしていますが、卸してそのままの品を右から左へ横流ししている業の者(転売屋)ではありません。ホイールベースに限らず、シフターや、ステアリング、ペダル類に至るまで、新品だろうが中古だろうが、作動チェックやメンテナンスをしてから私にオーダーを頂いた依頼主に提供する様にしてます。
例え新品であっても妙に渋みのある動きをする部品があれば部分的に解体してでもチェックして最適な状態にもっていって提供する様にしています。少し時間を頂きますが、そこは高い買い物ですから、妥協して提供する事はありません。
それはFANATECに限らず、OSW(Simucube含む)、Simagicやその他のブランドに関しても同様にメンテナンスしてから提供する様にしています。
◻️お客様からの声
特にシフターやペダル類みたいにメカニカルなユニットに関しては新品時(メーカー純正の)よりも調子が良いと嬉しいお声を頂いています。
新品は手に入りにくいけど中古でも欲しいと願うユーザー層にも喜ばれます。勿論、ここまでやって御手間を含めても少なからず安くは入手出来ますし、安心して使えますから、そこは「気持ちよく長く付き合って頂きたい~」という思いからこの様なサービスをしています。お陰様で知る人ぞ知る的な存在にもなりましたし、今やリピーターさんもいらっしゃいますから、喜ばれているという事は評価されているという訳でして、それは嬉しい限りです。
故障したものに関しては致命的でなければ直せたりします。引き取り修理する事も少なくありません。
その様な相談も実は受けてたりします。
GW前からオーダー頂いた5セットはやっとこ出荷出来ました。後は今のメンテしてるセットを出荷するのみ。負荷テストは終え、まだ各々の作業を進めさせて頂いてます。あともう少しお待ち下さいね✨👍✨
忙しかったのでここらで一段落つきたいと思います(笑)
今回はシフター編を掲載しましたが如何だったでしょうか?(笑)
では!また!
アディオス!!( -`ω-)b💕