GenesisPlanA’s diary(ジェネシスプランA・ダイアリー

主にシミュレーター関連に携わっています。世界的な範囲で扱った実績は多く、現在も複数台所有しています。日々の問い合わせが多く一問一答する側ら、掲載内容は検証・リサーチしたモノを含めて得られた情報など知的財産をオープンにしてます。レビュー等をTwitterやYouTubeなどの動画でも発信しています。現在は海外ブランド数社と友好関係にあり、技術的な面と、マニュアルの和訳にも携わってたりします。また、国内でも技術支援しています。此方の掲載内容は有効な情報を得たいと考える愛読者様への無償奉仕です。

CAMMUS C5/プロトタイプと量産品~今だから話せる裏話と進化

マイド!

GenesisPlanAことジェネです。

 

CAMMUSブランドのライトモデルであるC5。

メーカー表記は5Nmモデルであるが、実際に触ったことのある人ならば、これが本当に5Nmモデルなのか!?と思えるくらいに他社の同クラスDD(ダイレクトドライブ)とは比較にならない位にパワフルなユニットであることを体感して頂けていると思います。また、本体そのものがモーターであるが故にゆとりのあるパワーと抜けの無い力強さがある事もお分かり頂けたものと思います。

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さて、発売前に届いていたCAMMUS C5プロトタイプ。これは限りなく市販モデルに近しい最終バージョンであったが、実際に今販売されているモデルとは細かいところの仕様が異なっている。

元々、ものすごく完成度の高い状態ではあったけれども、実は先々を見据えた仕様変更を提案し、内部や部品の固定に至るまで、更に完成度を上げたモノにしており、それはユーザー的な立場で見る視点での提案や、先々の拡張性を考慮した部分を含めてそれらを促した経緯もあり、今の最終市販モデルでそれらが活かされています。

 

それ故に当初の発売スタートから遅れていた理由がコレ

\_(・ω・`)コレ

 

メーカーとしても発売前に仕様変更する事には、設計や生産プロセスに至るまで大きな負担を強いられる部分ではあるものの、一つの提案としてメリットがあると考えられた背景もあり、リリース前に変更するという事を決断したモノだと推測します。

仕様変更による、開発コストは掛かってしまうけれども、そこはメカニカルな信頼性と使用感のアップにも大きく貢献されていると思われ、私としてもその辺を承知で、メーカーの想いは分かるけれども敢えて提案してみたという背景があったりします。

 

一個人としてメーカーに認められている部分があるので意見が通ったのかも知れませんが、何にせよ大きく完成度を増した量産型CAMMUS C5は素晴らしい出来栄えでありながら、何と$249という破格な安価帯DDとして世に送られました。

日本円にして4万円を切る価格(※為替レートによる)でこの様なハイクオリティーなダイレクトドライブが手に入る凄い時代になったもんだと思います。

4万円というとLogicoolG920系だったり、スラストマスター系のハンドルコントローラーだったりするもんですから、如何にお安く手に入るかという事がお分かり頂けると思います。

 

見た目も細部まで変わったC5

それでは、私が以前から保有していたプロトタイプと、既存生産ロット品の進化の程を見ていきましょう。これは現在、皆様がお求めになられている現行ロット品です。

 

ぱっと見で、分かる点と言えばデジタル表示パネルの仕様が変わっている部分と、ダイヤルの赤いラインが無くなって簡素になり、ブラックを基調とした正面から見た外観デザイン。

因みに(左)が既存の生産ロットで、(右)がプロトタイプ。

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状況を映し出すスピード兼シフター用のモニター。実はタイプが変更されています。素子が目立つプロトに比べるとブラックパネルの恩恵か、目に飛び込む光が緩和傾向になるため、やや光量を抑えられた。

この辺の表示切替やインジゲーターランプはCAMMUSのPCアプリケーション内で切り替えが可能で、好みに応じてチョイスが出来る様になっている。

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背面から見たCAMMUS C5。

プロトは見た目サッパリとしていることがお分かり頂けるだろうと思いますが、明記されたモノやUSBタイプC接続を2系統増やしている。実はプロトの段階で2ペダルとセットでのバンドルでリリースする予定だとは聞いておらず、この時点でもうあと一か月後に発売するという段階で、バンドルとして使うならセットで使うのだろうから本体に拡張性を持たせないと広がらないだろう!という事で、同社ペダルとシフター類をここに接続できる様に大きく仕様変更している。

基板部分の設計の見直しや、元々拡張させるための保険として予め組み込まれた基板デザインを含めた設計が功を奏してか見た目もすっきりと上手く纏まったデザインとなりましたね。

短期間での仕様変更はコストも掛かるし、何しろリリース前という事もあり時間との競争でもあったため、大変な労力だったとは思いますが、結果的に大きく変えられた事により後のプロセスが楽になったとも言えましょう。

通常は周辺デバイスがUSBコネクトするスタイルではあるけれども、ネット通販でUSBをUSBタイプCに変換するアダプタが500円程度で売っているので其方を使うとCAMMUS C5の背面に接続可能となる。

また、これ等は私の方でもテストしているので作動上、問題なく動いています。

 

そして、背面側の白く細長いファンモーター用のコネクターですが、プロトタイプは4ピンでしたが、今回は3ピンに変更しています。

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中国本土、深圳でのビッグイベントでお披露目されたCAMMUS C5ですが、この最初のボタンデザインである〇☓△□がプレイステーションのボタンのそれと被るため、PS互換機であるという誤解が生まれる可能性が有るとして、PSやXboxのデザインとは違った表記でABCDとした。

プロトの節度感があるコチコチとしたボタンタッチも良い感じでしたが、少しエッジが立っているため、人によっては不快感を感じるかも知れないとして、細かい部分ではあるけれども少し角がナローなデザインのモノに変更されている。
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実はパドルシフトのデザインも若干の変更が加えられている。プロトは本体基板にガツンと効く節度感のある感触で個人的には好きであったけれども、素手でプレイした場合にはこのパドルが金属製であり肉薄であるために長時間のプレイにおいては指先が痛くなるだろうと思い、この部分のデザインを変更できないか?と打診はしておりました。

量産モデルはこの部分がエンプラ製となるけれどもハニカム構造であるため、厚みを少し保たせて必要最低限の強度確保と、指先へのタッチ感もソフトに感じられる様になっています。パドリングの感触も軽くなっており、コツコツと確かな感触を得られつつ、気持ちよくシフト操作が可能になってます。f:id:GenesisPlanA:20231127090507j:image

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以前にプロトタイプを解体した記事を載せておりましたが、実は内部の組み立てプロセスにおいても提案はしていたりしました。

元々、本体と内部パーツは、ボディーパーツに圧入する形となっておりキッチリと固く組み込まれている。内部が壊れることが無いからですが、内部基板の保持の方法や生産工程によるグローの仕様に感する注意点や、それらが起因する可能性のあるチープなトラブル発生を未然に防ぐために、細かい部分ではあるけれども、ひとつの完全体として目指した結果が今の形となっている。

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また、ボディー本体とモーターを圧入し、固定しているネジに関しても従来から使われていたマイナスのイモネジから、六角穴タイプのイモネジ、そして適切な締め付け・組み立てを行う事により、更に精度と品質が向上する結果となりました。

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つい先日に既存生産ロットの品質確認をしたいとリクエストしたところ現物が我が家にやってきました。相変わらずのレスポンスの良さに感心する(笑)

 

私はメーカーの人間ではないですけど、メーカー公認のエンジニアとして存在しており、ブランドのためを思って提案していたりしますが、CAMMUSにとっても納得のいく内容だったからこそ、提案を受け入れてくれたのではないかという部分と彼らのオリジナリティーを活かした今の現行型はひとつの完成形となりました。

 

更に改良されている点と言えば、このC5を固定するマウントがプロトタイプの時はクランプのみの選択でしたが、今回はクランプを使用しない場合はご自身のコックピットステーに直に固定できるようになっている。

穴位置のバリエーションは豊富なので大凡のコックピットには着くだろう。

 

それらを改良された結果、超絶滑らかな回転と、ストレスフリーな操作性が実現されている訳で、このデバイスを使って走っていると本当に楽しいのです。

実は先日のYouTube動画配信でも此方を使用してライブをしていたり、先日はFANATECユーザーである友人が我が家に遊びに来てプレイしていたりしますが、「これ買っちゃおうかな!」的なノリでした。

楽しんで走っておられましたぞな!

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CAMMUS製品は後参メーカーですけど、見た目と感触の品質の高さは確か!

 

FANATEC PodiumDD2ユーザーでさえも乗り換えてしまう事から、細やかなインフォメーションを感じられると共に速く走れる事が楽しいのだ!

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今後もCAMMUSブランドから依頼があれば関わるとは思いますし、というかDDWBにしろLP8にしろ絡んでいたりするので殆どやってますね(笑)

元々の完成度が凄く高いのと、メーカーとしての柔軟性を併せ持つので優秀だと思いますよホント。

 

私自身はいつまでこんな事を出来るか分かりませんけど、時にはテスターとして、時にはエンジニアとして、彼等から依頼があれば、そしてブランドに貢献・サポートできればと思っています。

 

それでは!今回はこの辺で!

またね!