GenesisPlanA’s diary(ジェネプラA・ダイアリー

主にシミュレーター関連に携わっています。世界的な範囲で扱った実績は多く、現在も複数台所有しています。日々の問い合わせが多く一問一答する側ら、掲載内容は検証・リサーチしたモノを含めて得られた情報など知的財産をオープンにしてます。レビュー等をTwitterやYouTubeなどの動画でも発信しています。現在は海外ブランド数社と友好関係にあり、技術的な面と、マニュアルの和訳にも携わってたりします。また、国内でも技術支援しています。此方の掲載内容は有効な情報を得たいと考える愛読者様への無償奉仕です。

FANATEC/超レア!初期型SQシフターのメンテナンス記録簿

(○・∀・)ノ マイド!!

ジェネです。

 

今回は何と、FANATEC SQシフターでも今では珍しい初期型のメンテナンスを承りましたので、その記録簿として掲載します。

また、このメンテナンスを依頼された所有者さんが、後に自らバラしてメンテナンスする際にマニュアルとして使って頂ければと思います🍀*゜

 

◻️今では希少価値の高い初期型SQシフター

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初期型シフター、実はポテンショメーター式で、現行モデルは磁気センサーを採用してます。

しかし、ペダルみたいに瞬発的に且つ頻繁に動かさないのでポテンショメーター式と言えども、そう壊れるものではありません。センサーはポテンショメーターとキルスイッチの組み合わせで設計されたFANATECシフターになります☝️💡

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パッと見、現行モデルと見た目の差はありません。外見だけ見て新旧を判断することは私とて無理です(笑)

( 無 ・ ω ・ 理 )

 

メンテナンスを相談された際にコレの入手し、メンテナンスを依頼される理由として、作動確認してないということでジャンク扱い?になってたという情報ですが、実際にオーナー曰く、キャリブレーションしてもシフトチェンジ時に誤作動を起こすという事でした。

海外でも相当前に、これの仕様がポテンショメーター式だからどうとかネガティブな情報は稀にあったりするのですが、個人的には現行モデルよりも安定的な設計だと思いますし、キチンとメンテナンスすれば長期的にも不具合は起きないと思います💡

が、しかし、今や手に入ることすら珍しい代物なので、欲しくても手に入らないレア商品です(笑)

(👍 ̄▽ ̄)👍

 

それでは分解していきましょう。

 

◻️FANATEC 旧個体SQシフター解体編

先ずはいつも通り、シフターのグリップを外していきます。

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グリップを外すとネジ舐めした形跡がありました。

これはタップ山を補正してあげれば何ら問題はありません。

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シフターのケースを優しくプラハンマーで振動を与えるとパッカンと上蓋が取れますが、一気に外さずに、基板に備わる右側面のコネクターを外す訳ですが、抜け防止のグルーが塗布されてるのでマイナスの精密ドライバーで剥がすように取り去ります。

ラジオペンチでコネクターを優しく抜きましょう。

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シフター底部の4つのネジを外すとケースが取れます。するとシフトゲートが顔を出します。

初期型シフターは底面にはグリスが塗られているけれど、ゲートステージにはあまりグリスが着いていない事が多いです。

横に備わるSQ⇔7H切り替えをしてみて、シフターが切り替わるスムーズの有無をチェックします。

一度、パーツ洗浄クリーナーでグリスを除去するのですが、ここの組み合わせは敢えてバラす必要はありません。先ずここは摩耗してませんからね💡

パーツ洗浄クリーナーを吹き掛ける前に、SQシフトをのキルスイッチを予め外しておきます。

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経年劣化で若干硬化した配線。ハンダも甘いので簡単に取れてしまいました。

 

勿論、こちらもちゃんとハンダを付け直して綺麗に修理しました💡

 

◻️刺激の強いパーツクリーナーは使うな!

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ここで初めて御紹介する、私が愛用しているパーツ洗浄クリーナー"大阪魂"です(笑)

過去に幾つものパーツクリーナーを試してますけれど、自動車用だと強すぎてプラパーツや弱い配線の被覆がヤラれるという事もあって、パーツクリーナーは何でも良いとは限りません。

そんな中でも"大阪魂"はパーツ洗浄性とプラパーツへの悪影響が無いため、SIM機材のメンテナンスには必ずコレ使ってます☀️

☝️(๑´ㅂ`๑)笑笑

 

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パーツ洗浄クリーナーで古く硬化したグリスを取り去り、乾かした後に、ホムセンとかにも売っている工業用グリスを綿棒で隅々まで塗布していきます。

因みにシフトゲートのガイド部にはモリブデングリスを混ぜたモノを綿棒で丁寧に塗っていきます。

 

◻️適した粘度のグリスを使いましょう

グリスは低粘度のスプレーグリスを使うと、真夏の高温化に晒された際に成分の一部が分解して垂れてきてしまいます。

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固すぎす柔らかすぎず、丁度いい粘度のグリスは少し立つくらいの硬さのリチウムグリスが適してます。

金属同士が擦れない部分には最適ですよ💡

因みになんですが、FANATECで扱ってるグリスは経年劣化で硬化し、高温化に晒されるとオイルみたいなのが滲み出てくる事もありますので、真夏の蒸し暑い空間でSIMする人は、グリスを塗り直してみるのも手段としてありますね。

 

◻️メンテナンスの話の続き

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ポテンショメーターのセンサー部とシーケンシャルの前後を認識するキルスイッチが備わります。コレを外していきます🔥

ポテンショメーターはネジを2つ外して、優しく手前に引き抜きます。例えばラジオペンチに折り畳んだティシュを挟んで基板を優しくつまみながら引くという感じだと傷付けずに簡単に取れます。Dシェイプカットされたシャフトが、シフター本体に差し込まれる様になってる構造なので、このDシェイプシャフトを傷めない様に注意して下さい⚠️

側面側のキルスイッチは簡単に外れます。スイッチは2個です💡

(๑•̀ㅂ•́)و✧

 

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外したセンサーは端子部まで丁寧にパーツクリーナーで洗浄してあげましょう。

ポテンショメーターを観察すると接点に特に磨耗は無く、特にスレた様子も無いのでキレイに洗浄してあげれば、この先もトラブルが起きないと判断しました。ここの誤作動が仮にあったとしたならば、ここが何らかの影響で汚れている可能性はあります。余分な油分はトラブルの原因にもなりますし、特に上下左右に応力が掛かる部分では無いので、徹底した洗浄が安定化へのポイントです💡

キルスイッチも同じく、パーツ洗浄クリーナーで徹底洗浄します。

 

◻️実はこんな事もあった

因みに、指で触ると薄ら油分が付着してましたので、パーツに塗布された油分が僅かに成分が気化?して飛んだものが付着したと思われます。

実は純正のままのものを解体すると同じ様な状態である傾向のシフター個体があったりしました。

国内陸送された際の環境の問題(もしかしたら荷台で高温化に晒されてたかも)で、出ている可能性はあります。依頼先の配送業者さんの感覚で違うかも知れませんね。

例えば箱コンテナーではなく、ホロだったりとか💡

まぁ、あくまでここは仮説ですが……。

酷いものだと梱包された袋の中にビッシリと油分が滲み出てた!って事もお聞きした事がありました。

 

当方では一個もありませんけど、地方のユーザーさんがそんな感じの状態であったという事例があります。

 

◻️細かい部分も丁寧に

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ベアリングは、一度外してパーツ洗浄クリーナーでよく洗い、よく乾かした後で、高温化に晒されても、長期的にも安定した低粘度のリチウムグリスを丁寧に塗布します。綿棒で軽く押し当ててクルクル回しながら軽く拭き取ります💡

この綿棒で軽く回る程度の硬さが、固すぎす柔らかすぎずベストだと思います🍀*゜

(๑•̀ㅂ•́)و✧

 

緩すぎる滑油は乾燥しやすかったりするものがありますので、例えば某メーカーの5〇6とかは不適切です。

 

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シーケンシャルのキルスイッチの先端に備わる金属製のローラー。ここには何ら潤滑油を塗布した形跡がありませんが、金属同士の接触面である為、少しでもフリクションロスを減らすなら、モリブデングリスを綿棒にとって、軽く塗布しておくと宜しいでしょう。

 

ここまで出来たら、シフターを解体した逆の順で組み付けて行きます。

 

◻️ネジの緩み防止にネジロック剤は有効

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シフターは予想以上に振動します。振動するという事はネジも微妙に緩みやすいという場合も予想されます。

それは各部位の応力が掛かる部分もそうですが、実は基板を固定してる小さなネジにも影響したりします。

ネジは固く締めても齧り(かじり)の原因にもなりますし、基板の固定に関しては最悪な場合、割ってしまう……なんて事もあるかも知れません。

いろいろなトラブルを誘発する危険性がありますので、締め過ぎはオススメ出来ません。

因みにネジロック剤は、ネジの先端部の山2~3ほどに薄ら滲む程度でも十分に効いてくれます。

逆に緩めたい時はドライヤーの熱風など当ててあげると柔らかくなり、簡単に緩みます💡

 

組み立ての際には是非お試しあれ✨

(๑•̀ㅂ•́)و✧

 

◻️初期型SQシフターの感触

初期型SQは現在の設計とは違って、所謂、名前こそはポピュラーなポテンショメーターとキルスイッチを併用した造りです。それ故に機械的な検出精度が高いため、入力時におけるシフト検出ミスなどは少ないというか、ほぼ皆無です。しかし、経年劣化の末に電極端子部における酸化などにより、通電ミスがやや多くなる事も。しかし、それは放置してたらの話で、日常的に使用頻度が高い場合は、その様な不具合は起きにくい。……というか稀です(笑)

 

現在の非接触式では、実は生産工程でのバラツキが出る為、必ずしも良い個体であるとは限りません。

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今回お預かりしたSQシフターですが、恐らくあまり使用されておらず、ボディーの塗装面も経年による隆起部分が多く見られた為、割と湿気の多いところに保管されていたのではないかと推測します。

 

◻️海外ではあまり評判の良くなかった初期型SQシフターだが

実は海外でのリサーチで、この初期型のSQシフターに関するネガティブな情報はチラホラ見ます。かなり古い情報ですが。

センサーにポテンショメーターとキルスイッチを使う事に不満を抱くユーザーは、通常のセンサー類のネガティブなイメージを前面に訴える事は少なくありません。

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このシフターは軸部にポテンショメーターを採用していますが、実は基本原理はポテンショメーターと同じであるけれど、フレームを含めてFANATECのオリジナル設計です。

R、1〜7速までを4つのゾーンに分けてますし、この部分に関してはSIMペダルみたいに同じ箇所で瞬間的且つ常時動いてる部分では無いので、端子部の磨耗や汚れといった事も極めて少ない。

個人的には今の非接触式よりも信頼度が高い為、こちらの方が好みではありますね💡

 

ポテンショメーターはパーツクリーナーで綺麗に洗浄してあげるだけで健全な姿で居られるし、ずっと末永く使っていられる。

この様な旧い個体は滅多に見ませんけど、希少価値は凄く高いシロモノだと思いますね🍀*゜

 

 

それでは!今回はこの辺で!

アディオス!!( -`ω-)b💕