GenesisPlanA’s diary(ジェネプラA・ダイアリー

主にシミュレーター関連に携わっています。世界的な範囲で扱った実績は多く、現在も複数台所有しています。日々の問い合わせが多く一問一答する側ら、掲載内容は検証・リサーチしたモノを含めて得られた情報など知的財産をオープンにしてます。レビュー等をTwitterやYouTubeなどの動画でも発信しています。現在は海外ブランド数社と友好関係にあり、技術的な面と、マニュアルの和訳にも携わってたりします。また、国内でも技術支援しています。此方の掲載内容は有効な情報を得たいと考える愛読者様への無償奉仕です。

スラストマスター ジャンク扱いペダルキット補修編/レストアで復活させるゾ!の巻

(○・∀・)ノ マイド!!

あらゆる物を扱っているジェネです(笑)

 

今回は、ジャンク扱い相当のスラストマスターペダルユニットのジャンク扱いレベルの補修が必要なペダルを延命させるという事でレストアしてしまおう!という企画です。

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写真はスラストマスターT300の2ペダルユニットです。構造は類似グレードなら3ペダルでも基本構造は同じなので、同じ補修が可能です。

では、やっていきましょう♪

 

◻️スチール製ペダルの錆取り

スラストマスターに限らず、ペダルはスチール製が多いです。軽量で剛性が高く、加工しやすいのでコストも安く済みますので、多くのブランドがこれを採用しています。

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写真のペダルは土足で使われた物もありますが、部屋の湿度が比較的高い時も錆が発生し易いです。靴底に付着していた砂や塵などが、ペダルの表面にゴリゴリとヤスリの様に傷を付けることで、サビの原因となる不純物が細かい擦り傷に刷り込まれ、それが錆の原因にもなったりします。

部屋の中でもレーシングシューズ等履いてると、床のゴミや硬度の高い塵等が原因で同じ様な現象が起こることがあります。それらは高倍率スコープなどで観察すると細かい砂の様なものでもあったりしますから、激しいペダルワークをしている内に同じ様になってしまうケースも少なくは有りません。素足も同様に、汗には塩分が含まれますので、遅かれ早かれ錆の発生は0では無いと思います。

 

今回、錆取りにはサンドブラストを用いました。物体に当てる粒子はダメージの少ないガラス粉末を使用しました。一般家庭では先ず無い代物ですが、研磨粒子を高圧空気にのせて、その粉末を噴射する原理の装置です。今回は表面の擦り傷が深かったのでコチラを使いました。

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スラストマスターロゴは予めマスキングテープで保護しておきましたので、ご覧の通り仕上がりは綺麗です。

 

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実は最も簡単な錆取り方法として、ペダル表面の錆びた部分にポピュラーな木工用ボンドを使うと綺麗に錆を剥がす事が出来ます。一般の方ならコレが一番簡単な方法です。

(๑•̀ㅁ•́ฅ✨

 

木工用ボンドの主成分は酢酸ビニルです。エマルジョンの様に滑らかでヌルヌルとしておりますが、コレが錆の細かい部分にまで噛みこみます。乾いた後にゆっくりと剥がしてあげることで綺麗に錆を取る事が出来ます。自転車やバイクには、私個人的にこの方法を使ってたりします(笑)

分かりやすい様に写真を貼ります。

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錆を取った後に表面のボコボコが出来る事がありますが、それは腐食した金属である錆が居なくなった事によるものなので、気になる様でしたら工業用カップブラシなどで表面研磨を軽くしてあげると仕上がりが更に違います。

鏡面仕上げ用のコンパウンドでシコシコと磨きあげるのもてですね(笑)

※メッキ処理してある場合はカップブラシは使用しないで下さい。

 

◻️ペダルユニットの底が何故か割れている!

御自身で所有しているハンコンのペダルの底部に亀裂が入ってたりしませんか?稀に新品でも開梱時に発覚したり、使っているうちに違和感を感じたなら同じ現象が発生していたりします。

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新品なのに底の部分に亀裂が入っててバキバキに割れていたり、中古のハンコンを買われた際には同じ様に隆起した症状が出ていたりします。

この原因はペダルを分解すると分かります。

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お分かりいただけただろうか……(笑)

 

撮影用にちゃんと見易くするために全バラで掃除をしております。

 

ペダルの戻しバネがプラの底の部分を「点」で押されている事が分かります。面圧と点圧では掛かる力の差は全然違います。例えば、手のひらで板を押すのと、指先で押すことでは一点への力の掛かり具合いって全然違います。

これによってプラの底の部分に点圧でストレスが掛かり、そこから割れていく……というのが割れの原因なんです。

 

まぁ、これは設計上のミスです。

 

対策としては、このバネが当たるピンポイントの部分に2mm程度の金属パネル、又は余っている腹の広いワッシャー等を両面テープ等で貼り付けてあげるという方法で補修します。この対策により、これ以上の割れも発生しませんし、結果的にしっかりとした「戻し」が出来ているので、ペタルの感触は気持ちカチッとします。

 

因みにこのリバースバネはT150やT300RS等モデル毎に実装している個数が違います。T300RS以上は2個~。故に個数が多いと押される力も大きくなりますので、底部が押され、クラック=割れが発生します。

 

各ペダルのモデルで違うとか、製造時期が違うモデルはこの辺の設計上のミスがあったりします。

予め金属板が実装されている場合もありますので、付いてない箇所には補強してあげましょう。

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補強板の貼り付け作業がやり難い場合は、ペダル軸を固定している稼働ピンを外すのも手です。特に固定されてる訳では無いので、横からピンを押すとスライドしますので容易に外れます。

しかし、ここを外してしまうとセンサーの位置ズレが起きる場合がありますので注意が必要です。

※下に対策を記載しておきます。
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これはスラストマスター製ならどの類似モデルにも発生する可能性は高いので、この辺の対策がされているのか不安があれば予め対策してあげると良いかと思います。

 

◻️バラしたのは良いけど元に戻すには注意が必要

バラしてみたものの元通りにするには、ちょっと工夫が必要です。

今回は2ペダルですので、適度にペダルを手で押さえつけたままでカバーを被せます。被せたらカバーと底部を固定しつつネジ止めしていきます。しかし、締め過ぎるとネジ舐めしてしまうので注意が必要です。

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稀にセンサーの位置ズレを起こします。それはバラして組み直している時にセンサーの定位置からズレてしまってるのが原因です。

ペダル軸の稼働ピンを外した際にも起きたりする症状ですが、ここはPCを使うと便利です。

PCに接続し、お手持ちのハンコンモデルのドライバーを予めインストールしておきます。ユーティリティソフトウェアもあると良いですね。

スラストマスターのHPから検索を掛けると容易に探せます。

接続機器のプロパティ画面で、アクセルやブレーキの可動範囲がバーで表示されます。この可動範囲が適正値になっているのか確認してみて下さい。仮にズレてしまってる場合は、一度組み上げた本体をバラして、センサー検出位置をPCでモニタリングしながら探ります。適正値に入るまで場合によっては繰り返し作業になってしまいます。

ある程度、適正値に入ったら。ソフトウェアでファームウェアでアップデートとかしますと、位置がリセットされて適正値に戻ります。但し、この作業を行う前にペダルの適正値にある程度入れておかないと不具合が生じる可能性がありますので、この辺の作業は余り妥協しないで欲しいです。

正確なプレイ環境が出来てないと、プレイしている最中にも不安定感が付き纏います……。

頑張って!としか言い様がありませんが、上手く行けば一発で成功します。

 

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はい!これで綺麗な状態にレストア出来ました。

気持ちいいプレイは環境から整えたいものです。

不安感を抱えたままでは気分も乗りませんしね!

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この辺の作業に不安感を感じるなら、こういった作業が得意な方に頼んでみるというのも宜しいかと思います。

 

さて、今回の記事は如何だったでしょうか。

 

 

今回はこの辺で!

アディオス!!( -`ω-)b💕