GenesisPlanA’s diary(ジェネシスプランA・ダイアリー

主にシミュレーター関連に携わっています。世界的な範囲で扱った実績は多く、現在も複数台所有しています。日々の問い合わせが多く一問一答する側ら、掲載内容は検証・リサーチしたモノを含めて得られた情報など知的財産をオープンにしてます。レビュー等をTwitterやYouTubeなどの動画でも発信しています。現在は海外ブランド数社と友好関係にあり、技術的な面と、マニュアルの和訳にも携わってたりします。また、国内でも技術支援しています。此方の掲載内容は有効な情報を得たいと考える愛読者様への無償奉仕です。

ハンコン:スラストマスターT300RS レビュー

どうも!

デス(๑•̀ㅁ•́ฅ✧

 

今回も以前から問い合わせが多くあったハンコン、スラストマスターT300RS&T300RS GT Editionの紹介です。私の周りにも多くのユーザーが居ます。勿論、私も新旧機体ともに触った実績がありますので、いろんな部分を含め、使用感など紹介できればと思いコレに関する知り得る情報を記載していきたいと思います。また、コレに関する情報も多く、何から書こうか迷い、時間は掛かりましたが、ようやくレビューする事となりました。

私の主観と経験をふまえて説明してますので、皆様の使用感を含め全てが当てはまらないかもですが、何かしらお伝え出来たら良いなーと思っております。

f:id:GenesisPlanA:20191004173037j:image
f:id:GenesisPlanA:20191004173040p:image

 

◻️スラストマスターT300モデル

実はT300RSと一口で言っても大きく2タイプに別れます。仮に前期・後期と分けますと、乗用車で言えば中規模のマイナーチェンジと言った方が分かりやすいと思います。パッとした見た目では分からないので、中古で入手する際には注意が必要です。(何故2タイプとして分けているのか後で触れていきます)

先ずはT300RS&T300RS GT Editionの違いについて触れていきます。初期モデル前期、改良されているのが後期と仮に称します。FFB(フォースフィードバック)を含めドライビングした際のフィーリングは殆ど変わりません。

f:id:GenesisPlanA:20191003083717j:image

初期モデルT300RSのデビューは当初からステアリングレスポンスを含めたドライビングフィールが凄く良くて、多くのユーザーがこれの魅力を体験したと思います。上位機種であるT500と同じくベルトドライブという仕組みですのでスルスルとスムーズに回るステアリング、切り込んだ際のリニア感は流石スラストマスター製のハンコンと思わせた名機です。

 

動作認識はPlayStation3PlayStation4、PCになります。

XBOX ONE対象機種はグレード名が違います。

 

今どきのハンコンは工業用ブラシレスモーターを採用してます。工業用ブラシレスモーターはロボット産業に精通している部分でもあり、世間一般的には其方が本筋の使い方として通常のブラシ付きのモーターから大きく進化してきました。勿論、T300RSシリーズも同じくブラシレスモーターで、スルスルとしたステアリングフィールと、スムーズなハンドリング、多段16BIT非接触センサーでハンドルの一瞬の切れ角に追従出来るように造られてます。Ferrariアルカンターラモデルも同じものになります。

 

◻️ペダルは2タイプ存在する

T300RSはペダルセットが2種類存在する。クラッチレス2ペダルが初期頃に多く見られたモデル前期型。GT Editionになってからは3ペダル仕様が主になってる後期型だと思います。

(※海外では2ペダル仕様も今も尚存在する)

f:id:GenesisPlanA:20191003120734j:image

勘のいい方はお分かりでしょうが、2ペダルのものはT150やT80と同じ設計のペダルです。金属製のフットパネル部分が金属製で差別化されてるだけです。性能に差はありません。

f:id:GenesisPlanA:20191003121021j:image

3ペダルのモデルはT3PAで、アーム部分こそは樹脂製ですがT-GTのそれと同じ設計です。踏み込み時のフィールを変更出来るMODが付属しているので感覚に合わせてお好みで。それでもフィーリング的に踏み心地に拘る人はMODを自作する人もいますね。

f:id:GenesisPlanA:20191003121304j:image

f:id:GenesisPlanA:20191003121748j:image

FerrariのモデルもT150ProもT300とはフットパネル部分の金属パーツのデザインが違うだけで中身は同じになります。もしかしたら、今だとロットによってペダルは統一されているかもです。

スラストマスターは、そのパッケージに応じて微妙に変えることが多いですが、主軸のセンサーは同じ物を採用しているので踏み込んだ時のペダルデザインが異なる、または採用しているMOD部分で感じるフィーリングが人によっては差があるかもと感じるかもです。

 

樹脂製と言っても高強度なエンプラを使ってますので強度不足になる事はないと思います。海外製品はウェルドライン(金型へ注入時に樹脂の流れた跡)があっても気にしないので、仮に割れたりしたら、そのウェルドラインからパックリ逝く事も可能性としては0ではないのですが、今のところそんな情報は入ってきてません。

f:id:GenesisPlanA:20191007120845j:image

今やエンプラは自動車部品にも金属代換えパーツとして採用されているので普通の感覚で使われている事が多いのですよ。なので樹脂製だからとか金属製だからとか見た目でメリットを感じる必要性もない訳です。

余談ですが上位モデルであるT-GTにセットされてるペダルはアーム類も金属製。実はバネの支持部が減ってくると脱落するといった磨耗による不具合もあったりしますから、一概に金属製が良いとは言いきれません。設計ミス?だと思いますが支持部の材質を見直し、若しくは改善設計しない限りは同じ症状はいつかは出ます。

 

センサーは踏み込んだ角度により検出されるタイプを採用してます。リニアな感じはこのセンサーによる恩恵がありますよね。スラストマスターは殆どのペダルに同じパーツを採用しつつ、コストと性能のバランスを考えた設計&組み合わせになってる事が多いですね。性能差が出るのは゛本体の処理能力に依存゛してますから。

 

◻️ステアリングが交換出来る

ステアリングが交換出来る構造になってます。交換する人は少なくないですが、標準で付属している合皮レザーのステアリングは質感がとても良いです。一般乗用車のそれと同じでしっくりと手に馴染みます。そのままでも十分と思います。ですが、プレイするシチュエーションで変える事も可能になってますので、スペアのステアリングとして使ってみても良いかも知れません。

f:id:GenesisPlanA:20191003152524j:image

f:id:GenesisPlanA:20191003152615j:image

尚、後者のフォーミュラ型のステアリングはダミースイッチが多いので気分かなーと思います(笑)

 

◻️周辺機器も当然使えます

スラストマスターと言えばスパルコMOD。シーケンシャル機能つきのサイドブレーキ、シフター、勿論、ペダルもT3PA Proにも対応してます。

f:id:GenesisPlanA:20191004132055j:image
f:id:GenesisPlanA:20191004132057j:image
f:id:GenesisPlanA:20191004132052j:image

 

◻️質感共に上を目指すなら試す価値が十分なモデルです

Logicool G29から乗り換えるユーザーが私の周りでは多いです。G29も良いハンコンですが(笑)

FFBのトルク感はG29よりも重いので、軽さを感じたらT300を選ぶのもいい選択かも知れません。逆にT150であるならばFFBのトルクは少し大人しめなのでオーバーヒートのリスクは少ない事を情報として付け足して起きます。

ベルトドライブ特有のスルスル感もラリーSIMには向いていると個人的には思います。

価格相応の性能と十分な質感を持ったハンコンですよねー。

 

 

〈ここからは注意点です〉

これから購入を検討されてる方や、現在使われてて症状が出てない方はご覧頂ければと思います。

 

◻️発熱に注意が必要です(オーバーヒート)実は微妙にマイナーチェンジされている

実は微妙に中身が違う2機種。バラすと分かりますがT300RSとT300RS GT Editionは微妙に中身が異なります。前期型は私の周りでもオーバーヒートに悩むユーザーが居ました、、、。

オーバーヒートは、モーターの発熱により保護装置が働き、最終的には電源が落ちると言った現象であり、その辺の熱対策がネックとなったハンコンでもありました。ユーザーによっては本体のカバーを外して扇風機を当てるなど熱対策されてる方も少なくありません。原因はモーターと内部設計にあると考えます。

これの熱対策を施されたモデルがT300RS GT Editionとしてリリースされたと認識しておりますが、違いとしては外観では分かりません。本体カバーを外すとパッと見でも素人目で見て分かりやすいのはモーターのボディに装備されてるヒートシンク(放熱するのに使われる金属フィン)。前期のT300RSはヒートシンクと呼べる程の堀の深い仕様にはなっていませんが、これが堀が深く長いものに大きく変更されており、オーバーヒートを意識した熱対策がされています。

※ボディ内部のクリアランスを考えると、あまり大きなヒートシンクは付けられなかった模様でありますが、ややオーバーヒートはし難くなってます。

しかし、設計上、発熱は多い傾向なのでGT Editionと言えどもFFBの出力はMAXよりも抑え目にしておいた方が良いですね。

オーバーヒートに関しては、T300RSに限らず、T500でも僅かなユーザーから現象が出たと報告されてます。これらの症状はユーザーの使用環境にも起因すると思います。

統計的に大凡、50~70%程度以下のトルクで使われた方がオーバーヒートを訴えるユーザーは少ないです。また、1度オーバーヒートすると癖になるので寿命が縮むと共にどんどん劣化が進みます。

f:id:GenesisPlanA:20191003115500p:image

 

◻️稀にセンター(中心)ズレの症状が出る

ごく稀にですがステアリングがセンターに戻らないズレる症状があったりします。ユーザーによって頻度は違います。全く出ない人も居れば、頻繁に出てしまう人も。使用感だと思いますが、ドリフトでフルカウンターしつつロックtoロックでガッツンガッツンやってると流石にズレますよね。

因みに私はズレた事は1度しかありません。

過剰な使用感だと故障防止の為の逃し部分がズレてるのだと思います。センターズレのキャリブレーション(補正)の方法はネットで検索すると出てきますので、ここでの説明は割愛します。

使用感にも差が出ますが当たりハズレの個体は生産ロットの精度のズレで存在すると思います。

 

◻️十字キー(ジョグキー)が若干弱い?

やはりこれも使用感によりますが、ユーザーから十字キーの接点不良が起因してか、動かなくなったという事を何人かからは聞いております。磨り減って接点不良という現象は、一般的なリモコンとかと同じでもあります。バラしてメンテ出来るなら、接点部分を綺麗に拭くか、小さく切ったアルミホイルを貼り付けると直ったりします。また、これもロットによって出る出ないはありそうです。

 

 

T300で私がお伝えできる情報はこの様な感じです。

 

ネガティブな要素はこの辺のクラスのハンコンになってくると少なからず出でくる症状なので、一見、丈夫そうに見えるから大雑把に使ってもタフであろうという先入観も無くはないとは言いきれません。

高フィールを偉るれが、コストの削りどころはミドルレベルのハンコンではありがちな話です。

私の憶測で使用感を測ることは出来ませんが、その辺を頭に置きつつ大切に使ってあげれば長くお付き合い出来る名機だと思います。

人気機種でもありますし、その辺は実際に使ってみて良さを体験して頂ければ!

 

 

それでは長々と失礼しました。参考にして頂ければと思っております。

 

またね!

アディオス!!( -`ω-)b💕